テストカー同じようにと発注された2nd カマロ

Dale Jr.'72 Camaro

 プロツーリング・スタイルのカマロがすっかり気に入ってしまったデールJr. が、次の獲物に選んだアイテムこそ、テストカーにもなっている72 年型カマロ。理由はデールJr. 自身がクルマを乗り回すドライバーだからで、いろいろな面でシャーシー設計の新しいF ボディは、69 年型より更に凄くなるだろうと着目。仲間や友人に訊ね72 年型カマロを入手。これをすぐさま持ち込むと、プロジェクトをスタートさせた。
 自分の好みで仕上げられる自身が所有するためのクルマということで、ホットなオレンジにペイント。どうやらJr. の頭の中には年式を超えてカマロ=ハガー・オレンジという方程式があったようだ。ボディ的にはカマロ・エスプリのようなフェイスに変更。これはスプリットバンパーのRS のように見えるが、スタンダード・グリルの持つマーカーやグリル周りを持つものに。だが、それ以外はデールJr. の好みで忠実にストック・スタイルを残した。
 実際に“走ってなんぼ”のコンセプトから70 年前後のトランザム・レースのデザイン・キューを持つカマロ。エンジンはパフォーマンスと安定性を考えてGM のLS2 エンジンを採用。テストカー同様にトレメックの6 スピード・マニュアル・トランスミッションをマウントしている。サスペンション関係はデトロイト・スピードのフルキットでフロント/ハイドロフォームド・サブフレーム一式、リアはクオドラリンクにミニタブでラージサイズのタイヤを装着。基本は70 年型カマロ・テストカーと同様になるというが、出来上がったカマロに大満足。今では毎日の足に、ランチをゲットする時さえ乗って行くほどだという。


パワーツアーに参加し一躍有名に!

Dale Jr. Hot Rod Tour Camaro

 メジャーNASCAR チームが居を構えるノースカロライナ州シャーロット。ここではデール・アーンハートの名前は不滅の金字塔。当然デールの人気は並大抵ではない。NASCAR ドライバーの中にはホッロッドやマッスルを所有するマニアがたくさんいるが、このデールJr. ほど熱心なドライバーは数少ない。自ら出演するラングラー・ジーンズのCM では本当に自分が持っているトラックを登場させたりするほど。 69 年型カマロは、入念な打ち合わせが行なわれた後プロジェクトに入り、外装エクステリアに関してはパーフェクトにオリジナルを保ち、走りを重点的に配慮したコンセプト。すなわちデトロイト・スピード・エクイップメント(DSE) のキット、ハイドロフォーム・サブフレーム、クォドラリンク・リアサス、サブフレーム・コネクター、ダッシュイ
ンサートなどが採用されている。パワートレーンは406 スモールブロックエンジンにTCI400 トランスミッションが付き、ドライブもイージーなホットロッドカマロに仕上げられた。
 このユニットでデールJr. 自身がドライブし、ホットロッド・パワーツアーに参加。その後そのまま全米250 ヵ所あるサムズ・クラブにディスプレイされるなど名物車になった。


その処理にJr. ぞっこんの67 年型カマロ

Dale Jr.'67 Camaro

 72 年型カマロが予想どおり初代よりサスペンションやシャーシー・バランスなどが優れていることに感動したデールJr. が、5 年ほど所有していたオリジナル67 年型カマロを持ってきて今度は外装を100% オリジナルで、エンジンはLS シリーズではなくオリジナルに近い年式のスモール・ブロックで製作したいと申し出た。そして採用されたのが初代カマロ用ハイドロフォームド・サブフレーム、サブフレーム・コネクター、クオドラリンク、ミニタブという定番キットを全て組み込み、細部にわたり繊細とさえいえるメタルワークやディテールで完成したのが、このカマロだ。カスタマイズされたインテリアやビルドされたエンジン、5 速マニュアル・トランスミッションなど、いかにもデトロイト・スピードと言えるテイストで仕上げられた。ビンテージエアのAC など、快適性も備えたものになっている。


デールJr. に感化された69 カマロ

1969 Chevrolet Camaro

 デールアーンハードJr. のカマロを見て感化された、同じくNASCAR ドライバーであるカイル・ブッシュ。彼がが大切にしていたセカンド・オーナーカーの69 年型カマロを持ち込んできた。といっても実際にはテレハウテというイリノイ州の田舎町に保管されていたもので、デトロイト・スピードで全面処理を施すことに。ハイドロフレームからクオドラリンク、ミニタブも付けることで13J のリアホイールをインセットできた。ハイレベルな完成度を持ったクラシック・レストアードGマシーンだ。


兄弟でカスタマーになったその訳とは?

1970 Chevrolet Camaro

 デトロイト・スピードで定番なのが、すでにクライアント側でレストアされたユニットのシャーシー・アップグレードを施すこと。既にデトロイト・スピードのカスタマーで、69 年型カマロに乗るラリーの兄弟であるゲーリー・ミルズもまた、このプロツーリング・コンセプトのカマロにぞっこんとなり、自ら70 年型カマロを探し出して改造。モータウン製427 スモールブロック・ストローカー・エンジンにマニュアル5 速のドライブトレーンを持つものに。そして今回更なるアップグレードとしてフルシャーシートリートメントを敢行。自分の思っていたより遥かに凄いハンドリングが得られたと感動したという。

LS にサブフレームを用いたテストカー

'63 Chevrolet Chevy ll Test Car

 ハイパフォーマンス・ハンドリングを求めると敬遠されがちな62 〜67 年型のノバも、逆に好んでパーツをリリースするデトロイト・スピードならではの63 年型テストカー。このクルマも70 年型カマロ同様、かなり早い時期からカイルやステーシーの手の中にあり、改造やパーツの開発に用いられてきた。なかでもクオドラリンクのリア・サスペンションを最初に取り付けた車両であり、その後すでに製作済みだったフロント・サブフレームをボルトイン。ジャストフィットのカスタム・インナーフェンダーも製産販売するなど、総合的なカスタマイズを可能にする。出来上がったシャシー&ボディにマスト・モータースポーツ製のLSV8 を搭載。マニュアル5 速というドライブ
トレーンを持つ。特にノバに関しては、全く違うクルマに変身するコンポーネンツであることが分かるほど走りが変わったのだ。